【遊んでみた】青春疾患TRPGセラフィザイン【死に逝く友に何を伝えるのかという物語】

 

12月11日ゲームマーケット2016秋にて発表された作品「青春疾患TRPGセラフィザイン」を遊んでみました。
感想をまとめてみたので、気になっている方のご参考になれば幸いです。
システム作者さんのインタビュー記事も合わせてごらんくださいまし!

【青春疾患TRPGセラフィザインとは?】

システム紹介

『あなたは避けられない死に対してどのように行動しますか?』

12月11日ゲームマーケット2016秋にて発表された作品「青春疾患TRPGセラフィザイン」を、一文で問うならこの言葉だと思います。
システム名となっている「セラフィザイン」とは”病気”なのです。
治療の方法も見つかっていない難病であり、発症すれば必ず死んでしまう病。
身体の各部が化け物のような異形へと変異をしてしまう恐ろしいものです。
その発症者を「セラフィザイン」、発症しているにも関わらず症状の進行が見えない克服者を「トレラント」と言います。
このシステムでは、発症者と克服者それぞれが支えあいながら生について選択していくことを目的としています。

セラフィザインという病気

発症すると、体のあらゆる部位が異形の化け物のような状態になってしまいます。
それは、竜の頭のようであり、翼のようであり、剣のようでもあり、毒を帯びた棘にもなります。
発症する部位によって病の症状が異なり、それに応じて病の進行を抑制するために、身体機能を失います。
筋組織なら四肢の自由を、感覚器官なら視覚や味覚といった五感を失くすのです。

影の功労者トレラント

同じ病を患っているにも関わらず、体に変化がない者をトレラントと呼びます。
彼、彼女らは、病を抑制する薬剤を作るための最大の協力者であり、人手不足を解消するための医療従事者でもあるのです。
病に対抗するために医療知識を学び、発症者のメンタルケアもします。
力はセラフィザインに比べれば弱いものの、この世界に欠かすことのできない大きな存在といえるでしょう。

【いざセッション!】

世界観をご紹介したところで、今回のセッションの流れを簡単にご説明いたしましょう。

PC作成

まずはプレイヤーキャラクター(PC)を作成してもらいました。
性別、年齢、身長、境遇に加えて、セラフィザインPCには「パーソナルニード」というを決めてもらいます。
そのパーソナルニードは、病を発症したことによって奪われた欲求でもあります。
どうしようもないその気持ちを中心に、物語は進行していくのです。

セラフィザインとトレラントとの心の交流

医療従事者であるトレラントは、担当セラフィザインと接することとなります。
克服者と発症者。
そんな危うい関係を築くのは、多感な時期の少年少女たちです。
しかし、発症者が生き永らえることが出来るのは、トレラントの血を媒体にした抑制剤のおかげでもあるのです。
同じ病気によって未来が決められてしまったという部分は同じでしょう。
どういう風に接していくかが悩みどころでもあり、この世界を体感するうえで非常に大事なパートだと思います。

重篤患者への命をかけた手術戦闘

彼、彼女らが過ごす特別区域は、トレラントのための学校でもあり、セラフィザインのための病院でもあります。
穏やかな日常を過ごす傍ら、病状が悪化した重篤患者への手術を担当することになります。
重篤化した患者は発症した部位が暴走し、患者自身を含め、見境なく攻撃します。
止めるには、その暴走した部位を破壊する以外ありません。
その力は強大であり、切除手術にはトレラントの力だけでは敵いません。
セラフィザインは、同じ強力な力を使って同じ病で苦しむ仲間を生かすために命を懸けるのです。

戦闘システムは非常に臨場感のあるものとなっています。

暴走部位の攻撃力はとても強大ですが、破壊してしまえばその攻撃を防ぐことが出来ます。
いかに患者自身へのダメージを減らし、暴走部位を破壊していくかということがこのミッションの目的となります。
また、力のセラフィザイン、細やかなフォローのトレラントという特徴を活かすことも重要です。
力をどう使うのか、暴走部位の動きを封じるにはどう動いたらいいか、患者の負担を減らすにはどうしたらいいか・・・。
命がけの手術はまさに、自分たちの手にかかっているのです。

手術の終わり、そして後日談

手術は成功しても、失敗しても終わります。
生かすことが出来たのなら、重篤患者は再び不自由ながらも日常を取り戻せるでしょう。
すべては選択の結果となります。
生きていれば、特効薬が誕生するかもしれません。
生きていれば、夢が叶うかもしれません。
重篤患者は明日の自分かもしれません。
同じように生かされるかもしれませんし、死んでしまうかもしれません。

それでも希望を見失わないで生きていけるか、それを鮮烈に問いかけてくる物語を体験することが出来るでしょう。

【セッションを終えての感想】

GMとしての描写力がほしくなるシステム!

ルールブックの全体を通してですが難しい単語が多く、この世界を理解するのがけっこう大変です。
今回はGMとして参戦したため、特にそう思うのかもしれません。
しかし、それがよいのかもしれません。
TRPGは想像力次第で無限の可能性が広がっていきます。
記載されている単語から想像力を膨らませ、葛藤・克服・達成の最高の物語の手助けをしたいですね。
克服者と発病者の仲を取り持つ描写の円滑油。
交流しているからこそ、調整した薬を作ることが出来るのだと、選んだ選択を後押しできるようなGMをしたいものです。

すべての中心「セラフィザイン」

また、演じるPCが「病:セラフィザイン」に対してどういう感情を抱いているのか把握していくと、より心に迫る進行ができたかなと反省しています。
物語の中心にある「セラフィザイン」という難病。
そこから枝分かれして広がる登場人物たちの気持ち。
日常パートはまさに「交流」に主軸がおかれており、同じ年ごろの少年少女たちが介護し、される関係でかかわっていきます。

「もしあなたがこんな状況だったらどうするの?」

PCの持つ苦悩を表現できたら、とてつもない達成感を得られることでしょう。
難しく考えすぎなのかもしれませんが、ずっと悩んでいられます(笑)
戦闘シーンも情報をいかに提示していくか、患者の具合をどう表現するかによって、さらに臨場感が生まれることでしょうね。

もっと工夫して、この世界を満喫したい!!

この気持ちが募る一方です。
GMリベンジする場合では、どどんとふの機能をもっと活用して挑みたいですね。
例えば、よく使う「パーソナルニード」をダイスボット表に打ち込んだり。
例えば、イニシアティブ表で管理するポイントの項目を設定しておいたり。
例えば、攻撃対象の動きをカットインで表現したり。

こうして考えているだけでもとても楽しいものです。
次はPLで参戦もしてみたいですね。

友が化け物ではなく、人としての生を全うできるように、苦悩しながらも奮闘するトレラント
病状に苦しみ、夢に恋い焦がれながらも、誰か死ぬのが許せず、その命を燃やすセラフィザイン

発症部位によってどういう異形化になるか変わるので、特徴をキャラクターシートに記載して絵にして堪らないでしょうね。
性癖を存分にこじらせて遊んでいただきたいシステムです。
ご興味をお持ちになったら、通販でも購入できるので、ぜひ私と遊んでくださいませ!!

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!!

サークル   どらこにあん
デザイナー  デイリー
頒布価格   1100円

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