旅と冒険のスぺオペTRPG『スペースシップストーリー』

旅と冒険のスぺオペTRPG『スペースシップストーリー』

スぺオペをやりたくて作ったTRPG

今回は、駄兎本舗のはったさん(ツイッター@eightone1985)をお招きして。
コミックマーケット(C90)にて発売された、スぺオペTRPG『スペースシップストーリー』のご紹介をしたいと思います。

スぺオペとは

スペオペ(スペースオペラ)とは
〔活劇本位の安手な西部劇をホース-オペラと呼ぶのにならった語〕
SF の一分野。宇宙を舞台とした波乱万丈の大活劇をいう。荒唐無稽(こうとうむけい)であるが、空想力の最大限の発揮という点で SF の一頂点ともいえる。
(以上、大辞林 第三版より)

“戦いは数だよ、兄貴”――駄兎本舗について

文月(ふづき)さんを代表として、TRPG活動を行っています。
TRPGに関わる活動なら、シナリオを作っても、リプレイ作っても、同人誌描いても、何をやってもいい。もちろん卓を遊ぶ事だって立派な活動!
“戦いは数だよ”をモットーに、数を増やしていっているのです。

――そんな、とても牧歌的なサークルさん。

はったさんはそこのサークルメンバーとして、オリジナルのTRPGシステムを作成されている方です。

はったさんにインタビュー

ビームサーベルでチャンバラがしたい!

というわけで、本日はよろしくお願いします。

初めまして。こちらこそ、よろしくお願いします。

早速ですが、『スペースシップストーリー』を作ったきっかけとか、そういうところからお願いできますか?

きっかけは少し長い話になってしまうのですが。サイコロフィクションコンテストに、これとは全然違う作品で、『グリッド表を街の施設の名前にして、選んだ施設は自分の影響下にあるというコンセプトのゲーム』を出したら入選しまして。――まぁ入選止まりでしたが(苦笑)。

いや入選まで行けただけでも凄いと思いますよ?

ありがとうございます。それで、これが入選まで行けたし、ちゃんと練り直してみようかなぁと考えていた時に、『自分の村や町を作って自分の縁のあるところで戦うゲームって面白いから、それを活かしたいなぁ……そうだ、村じゃなくても宇宙船でもいいし、スペオペTRPGが欲しいから創ってみよう』と考えたのがきっかけです。

スペースオペラというと……例えば、スターウォーズみたいな?

まさにんな感じのSFものですね、宇宙を舞台にした冒険活劇をやりたい。宇宙船同士がビーム砲を撃ち合っているのを背景にビームサーベルでチャンバラするような戦闘がしたい。――と思って作りました。

ディバスター砲による転移ゲートの生成

宇宙船がビーム砲を撃ち合っているのを背景にチャンバラ……いや、確かにスターウォーズだとそうですけど。TRPGでどうやって処理をすれば(苦笑)。

簡単ですよ。ビーム砲は攻撃用ではなくて、『ディバスター砲』という、『着弾地点に転移ゲートを開く』ものなんです。

おぉ?

『自分たちの宇宙船』、『惑星の地表』、『宇宙海賊の宇宙船』など複数の戦闘マップがあったとして、本来はそれぞれ独立していて相互に移動も出来ませんが。このディバスター砲を命中させると、その場所に『自分の船から直接移動出来るゲート』が開きます。

あーなるほど、複数の戦闘マップをゲートで渡り歩いて、直接殴って戦うと?

はい。戦闘マップに設置したゲート同士は一歩で行けるんです。しかも、自分が撃ちこんだゲートは、自分たちの船の搭乗員しか通れないので一方的に乗り込める。これで、砲撃戦をしながらチャンバラが出来ますよね。

確かに!

自分の船を荒らされるのを避けるか、罠を張って待ち構えるか

この『ゲートを相手の船に撃ち込んで乗り込んで戦う』というやり方にしたおかげで、面白くなった! と思ったところなんですが。スペースシップストーリーでは『最初に自分の好きな施設を選んで、自分の船を作っていく』んですよ。つまり、『乗り込まれたら、自分が折角作った船が戦場になるかもしれない』ということなんです。

あ。それはスカイノーツをやった時に感じました。自分で考えて作った船に乗り込まれて施設を壊されたり、自分の船室が大破するのって、ウワーってなりますよね。

そうですね。あちらは『砲撃戦』がメインになっていますが、スペースシップストーリーでは『乗り込んで戦う』のがメインなので、もっと顕著だと思います。出来るだけ自分の部屋や船に愛着を持ってもらう方が良いので、オブジェという『部屋に設置すると有益な効果があるアイテム』を、『どんな形のものか、自分で好きに決める』ことを推奨していますよ(笑)。

好きなだけ、趣味のフィギュアルームを作れば良いと(笑)。

それも良いですね(笑)。オブジェをたくさん集める自分の判定が大きく有利になったり敵に対するトラップを用意出来たりします。――つまり、自分の船が戦場になれば戦いは有利になるが、折角集めたものを壊されてしまうかもしれない。逆に相手の船に乗り込めば、判定は少しきつくなりますが、相手の船を壊しまくれると。

罠を張って待ち構えるか、自分の船を守るか……でも判定がきついのは苦しいかなぁ。

判定は六面ダイス2個で、7がクリティカル!

基本的に判定は『ダイス2個+能力値』ですが、スキルによって達成値やダメージが伸びるようになっています。初期でもスキルの選択次第では達成値を上げて相手の船に乗り込んだりも出来ますし、レベルを上げて新しくスキルを取ればいくらでも判定は有利になりますよ。

こちらのレベルが上がると、相手も強くなっていきませんか?

確かに強くはなっていきます。ただ、プレイヤーは『特異点』という特徴を持った存在でして、プレイヤーだけはダイスを2つ振った時に『7』が出たらクリティカルで『完全成功(たとえ目標値が100の判定でも成功)』になるんですよ。しかもファンブルはありません。たとえ出目が2でもスキルで無理やり達成値を上げてしまえば、あとは相手の出目次第。そういう意味ではかなりプレイヤー有利の判定値になっています。

宇宙の法則が、乱れる!

『特異点』ですか?

スペースシップストーリーの世界観設定の話になります。この世界ではずっと昔に銀河帝国が宇宙の支配を目論んでいて、あと一歩というところまで到達。しかし、タイムマシン実験を行おうとして大失敗。『バベルクラッシュ』という宇宙規模の事故が起こりました。

バベルクラッシュというのは?

はい。簡単に言えば、この影響で宇宙の法則は滅茶苦茶になりました。突然時間が巻き戻って中世のような星になってしまったり、もっと巻き戻って恐竜が復活していたり、星ごと水没してしまったり。

元々は宇宙から来てその惑星に住み着いていたけど、バベルクラッシュの影響でファンタジー世界の住人みたいになっちゃった人達もいるわけですね。

そういう星もあります。元々、『自分で惑星を作って遊んで欲しい』と思って、そのために『なんでもあり』の宇宙法則にしよう。と思ったのがきっかけですから。そこは本当に設定は自由です。

あ。確かに、星のランダム表を見ると本当になんでもありっぽい。

超能力やファンタジー、西部劇などもOK

SFとかスぺオペには必須だと思うんですよ、トンデモ科学の存在って(笑)。

確かに、細かいことを言い出したらゲームにならないですもんね(笑)。

このバベルクラッシュの影響は色々な形で残っているんですが、『その影響を良い形で受けているのがプレイヤーたち』です。本人の意識には関わらず、時々奇跡を起こす『特異点』。データ的には7を出すとクリティカルで絶対成功になる他、ゲーム中に一度だけ、判定の目を7として扱うことが出来ます。

なるほど。……ただ、達成値の上昇はスキルで出来ても、振り直しにはアイテムを使うし、回復はあんまりないんですね。成功してるうちは良いけど、ダイス目が腐ったら死ぬのでは?

勿論ダイスゲームですから、目が悪い時もあると思いますし。ミドル戦闘や雑魚戦でも、エリートと呼ばれる強敵が出てきたり、ザコは一撃当たれば倒せる代わりに攻撃は普通のボスと変わらない威力だったりと。戦闘バランス自体は厳しめです。

ですよね。

そのため、装甲点を削りきられても、その一撃では精神点まで抜けないようにして。更に全て削られて0点になると『気絶』しますが、気絶した後でとどめを刺されない限り『死亡』まではしない、という2段構えの即死対策になっています。

なるほど。誰か倒されたら気絶止まりで済むように、急いで敵を倒して隙を見て回復する感じですか。

それなんですが。実はこのゲーム、戦闘が終わったら『死亡していない限り』全快します(笑)。

わ、ゆるい! まぁSF世界ですし、腕やら足やらがなくなったくらいまでは回復ポットで治りそうって気はしますが。

色々と簡便にしようとした結果ですね。後の回復のことを考えると、うしてもコストの出し惜しみをしてしまいますし。終われば全快だと思えば、惜しまず全力で戦えますから。

あー、後先考えずに戦えるのは良いですね。ちなみにプレイヤーのバランスとして、おススメはありますか?

『乗り込んで殴って倒す』を前提にバランスを組んだので、全員、攻撃手段は何かしら持っていた方がいいですよ。全員戦闘特化なのは全然OKですが、回復系だけだと正直厳しいです。

船員やシップAIは、船長の……?

全員戦闘系だと乗り込んだ後は良いですが、相手の船にディバスター砲を当てるのが大変なのでは?

実は船にはシップAIという人工知能が搭載されていまして。遠隔操作でもプレイヤーが撃てと言えば指示した座標に向けて撃ってくれたりします。

ほうほう、船が勝手に撃ってくれたりするんですか。――あ、可愛い。

(ウサギ型ホログラムのシップAI)

シップAIの外見や性格なども、もちろんGMの自由に決められますこれもシステムの売りの一つで、GMの操るシップAIが最初からプレイヤーの仲間として存在するので、GMからのヒントを出したい場合などにとても便利なんですよ。

あぁ、絶対味方だと分かっているNPCは便利!

ちなみに、キャラクターを作る時に全員で『船長との関係』、つまりどうして船長と冒険をしているのかを決めてから船長を選ぶんですが。シップAIも船長との関係を最初に決めておきます。

……ランダム表に血縁とかありますけど、うっかりこれを引くと実はシップAIが船長の娘だったとか、そういう事故に

親から譲り受けた船に乗ってたら、ある日突然シップAIが親父の声で『息子よ、とうとうお前も20になったか。実はそこのハッチの中には、私が見つけた航路の地図が入っていてな……』とか喋りだすかもしれません(笑)。

あ。なるほどー?! それ面白そう。

勝手にどんな理由で船長についていくかを各自で決めから船長を選ぶので、結構色々な理由になって面白いですよ。これもおすすめポイントの一つです。

好きな『宇宙』を遊んで欲しい

ではそろそろ締めに入りたいと思いますので、『こんな人に遊んで欲しい』など何でも、皆さんへ一言お願いしていいですか。

一言ですか(苦笑)。そうですね、やはりこのシステムの最大の売りは、『君の手で好きな宇宙を創れる!』というところなので。GMが法則から何から全て自由な状態で惑星や船団などを作って組み合わせて、そうして作った宇宙が『プレイヤーを呼んで遊んで貰ったことにより、色々なものが動いて変化していく。』というところを是非楽しんで頂けたらと思っています。

なるほどー。こういう世界を作りたい! とハッキリしたビジョンが思い浮かぶ人には凄くおススメできますね。――ただ、ちょっとフンワリしているというか、出来ることが多すぎるような?

そうなんですよ。いちから惑星を作れって言われても、ふわっとしていて分からない! っていう人、すっごい多かったんです。

サプリ追加のルールブックは、東ム51a『駄兎本舗』にて発売!‏

なので、次のコミケ(C92)で、サプリを追加しようと思って、もう原稿は完成しました。表紙はこんな感じです。

おぉ、兎耳少女! 可愛いですねー。そして、このサプリが入ると、いちから惑星を作るのが簡単になる感じですか。

なります。その他にもいろいろ便利なデータも追加していますよ。

各種『ランダム表』やシナリオクラフトの追加

まず、ある程度実例があった方が選びやすいという声が多かったので、色々なランダム表を追加しました。自分で作りたいものが思いつかなくてもトランプを引けばランダムに惑星が作れますし、選んでもいい。
また、シナリオクラフトを用意して、わざわざシナリオを作ってこなくてもその場で話を作りながら遊べるようにしました。もちろん、それをヒントに自分でシナリオを作っても良いでしょう。

シナリオクラフト1『パルプ・セッション』

追加したデータの目玉(一つめ)シナリオクラフト『パルプ・セッション』は、新しい未開拓惑星を探すことを目標にした冒険シナリオです。
宇宙海賊と船同士で戦うようなシナリオを楽しみたい人や、キャンペーンの前編として遊ばれる方にお勧め!

シナリオクラフト2『プラネット・プラン』

もう一つの目玉(二つ目)『プラネット・プラン』。こちらは惑星に降り立って、その惑星を発展させていくシナリオになります。
自分で作った惑星を舞台にシナリオを進めていくもよし、パルプ・セッションで見つけた惑星を育てていくもよしです。

その他にも、便利なツールがたくさん!

その他、ランダムに『ハンドアウト(個々のキャラクターが持つ目的)』が設定出来るものや、多数の船団や複数の惑星を舞台に戦闘を行うためにマップを簡略化した、スマート戦闘シートなどたっぷり追加(100ページほど)しました。

おぉ、もう追加サプリってレベルじゃない分量……。というか、この原稿全部ですよね?

はい、基本ルールブックも丸ごと再集録することになったので、全体では170ページくらいになる予定です(笑)。

分厚い(笑)。原稿の厚みで既に1センチ近いじゃないですか。これって、今後もサプリは随時追加していく予定なんですか?

もう流石に、これ以上の追加は必要ないくらいになったはずなので。スペースシップストーリーについては一旦これを完成版として、今後はまた別のシステムを新しく作っていこうと思っています。

お。では、C92で拡張版のルールブックを買えば、もうそれだけでずっと遊べると!

そうですね。自分の好きな惑星と宇宙船が気軽に作れて、思う存分スぺオペが遊べる『スペースシップストーリー』を、よろしくお願いします。

はい。本日はありがとうございました♪

おわりに

皆さんも、最後までお付き合いありがとうございました。
駄兎本舗さんはC92の『東ム51a』にて、お待ちしております!

関連リンク

スペースシップストーリー 公式サイト

駄兎本舗


なるねこ

普段は池袋でアナログゲーム向けのプレイスペースを開いているので、TRPGやボードゲームを作っている人たちのお話を聞いて記事にしていけたらと思っています。

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