「LARPのススメ」を読んでみた
LARPのススメ

昨今、アナログゲームにも日が当たってまいりました。
ゲームマーケットは開催ごとにその集客数を増やし、TRPGの祭典であるJGCも、
2017年からはその名前とスタイルを変えての開催が決定されています。
普段アナログゲームで遊んでいない人も、体感する遊び:脱出ゲームなどにも足を運んでいますよね。
そんな中、ここ最近活気づいてきた期待のゲームスタイルがあります。

LARPです。

聞きなれないかも知れません。
Live Action Role Playing の頭文字をとったLARPとは、何でしょうか?

後半のロールプレイング、これはつまり、役割を演じることです。
前半のライブアクション、これはそのまま、実際に動くことです。
せっかくカッコいいLARPですが、平たく言うと、「ごっこ遊び」です。

でもこの「ごっこ遊び」すごいのです!
真剣に遊べば遊ぶほど、奥が深いのです!

ここでは、そのLARPについての入門書とも言える、その名も直球『LARPのススメ』を実際に読んでみて、
ありのままに感じたことを綴っていこうと思います。

 

“是非流行らせてみたい!”という意気込みにワクワク

表紙をめくると、まえがきのご挨拶がありました。

ここで著者の雛咲悠さんは、プレイヤー人口が少ないことを嘆いていらっしゃいます。
でも同じページで、是非流行らせてみたい!と書かれています。
しかも、太字で。改行して。色変えて。

・・・わたくし、しれっと「色変えて」と書きましたが、この書籍、フルカラーで構成されております。
何と言うか、この時点でワクワクしませんか?
著者さん、本気ですよ?プレイヤー人口が少ないと嘆くだけじゃなく、少ないなら増やせばいいじゃない!
っていう意気込みですよ?
その様な方の著書、面白くないわけがないじゃないですか!

わくわくしながら、次のページをめくります。

LARPについての基礎知識を簡潔に、豆知識もついてます!

早速、LARPってなーに?が出てまいりました。

これは冒頭で私も雑に「ごっこ遊び」と紹介しましたが、判りやすい漫画と写真、
丁寧な文章で簡潔に解説しています。
海外ではメジャーな遊びのようですね、特に北欧では子供のころからLARPに触れているのだそうで。
そんな豆知識も教えてくれています。

LARPの衣装や小道具の準備、本気のごっこ遊びにしり込み?

LARPは「ごっこ遊び」だと書いてきましたが、この「ごっこ遊び」は本気です。

どれくらい本気かと言うと、この『LARPのススメ』でもファンタジーを一例に挙げて書かれていますが、
例えばエルフの役をやりたかったら長い耳を実際に着ける、ドワーフだったら髭をつける、
魔法を使うなら、呪文はきちんと詠唱する、など。

ここまで来ると、観客のいない即興演劇みたいですね。

・・・・そんなの恥ずかしくて出来そうにないとしり込みしてしまいそうですか?
大丈夫、今それを判断する必要はありません。
なぜなら、まだ本は続くからです。

次を見ていきましょう。

衣装や小道具の話になってまいりました。
入手しやすいお店で買って、それっぽくコーディネートしても良いし、ちょっと頑張って自作しても良し、
本格的に海外から通販するも良し、と書かれています。
それっぽくコーディネートするなら、普段着を組み合わせるだけでもなんとかなりそうですね。

私、僭越ながら実際にあるもので勝手にコーディネートしてみました。
白いシャツにベスト、マキシ丈スカートの上にひざ下丈のスカートを重ね履きで、はい出来上がり。
元手0円でそれっぽくなりましたよ?
また、スカートを変えただけで印象ががらりと変わるのもおもしろい!

      

あと、こんなのも。エプロンドレス優秀だな。

パトリア・ソーリスとはなんぞ?

次はルールについてです。

唐突に、パトリア・ソーリスという単語が出てまいりました。
ドイツの方と日本の方が協力して作成してくださったルールで、現状ファンタジーでLARPを遊ぼうと思ったら、
日本でルールと呼べるものはこのパトリア・ソーリスだけのようですね。
しかもこれ、フリーのルールブック(商用販売不可)です。
ファンタジーのルールになるので限定されますが、LARPで遊びたい人は誰でも自由に使えます!
ただ、ちょっと難しいかも?
でも著者さん、とっても前向きです。

「オリジナルの日本のルールブックが出たら素敵ですね」って書いてある!!

そして2017年現在、出ています日本のルールブック!!
簡易汎用ホラーLARPゲーム メメント・モリ(第2版)
そして、更に国産ファンタジーLARPルールの開発も進んでいるようです!
続報が楽しみですね♪

さて、ここで即興演劇にもどった、どうしよう?

次をめくると、遊び方が書いてあります。
ですが、難しいことは何1つ書いていません。

「どう動いたらいいか判らない!!」

なんだ、皆さま最初はそう思うものなのですね。
その証拠に「最初は上手くできなくても大丈夫」って書いてあります。

・・・・じわじわキますね、「最初は」ですよ。ハマること大前提ですよ!?

なんでしょう、この自信。
でも、ちょっと楽しそう!!

何より、「あなたは足手まといじゃありません」って、きっぱり言い切ってくれています。

『LARPのススメ』を手に取る人は、たぶんLARPに興味を持って、でもどんなものか判らなくて、
ちょっと興味はあるんだけどモジモジ・・・っていう人が多いのではないかな、と予測します。
そしておそらく、著者さんも、そういう皆さまをターゲットに書かれていると思います。
そんな著者さんが、まえがきからアグレッシブで、でも1つ1つを丁寧に教えてくれている著者さんが
「大丈夫」って太鼓判を押すのだから、きっと大丈夫!

遊び方、ぜひ読んでみてください。

「どうやって動いたらいいか判らない!!」を、「例えばこんな風にしてみたら如何?」って、
具体例を挙げていくつも書いてくれています。

最後までワクワクする本

遊び方の説明が終わると、この本は締めに入ります。
そこで、素敵な言葉を見つけました。

「皆さんの心にも、ワクワクが生まれますように!」

そうです、私ここまでわくわくしながら読んでいましたが、著者さんもわくわくしながら書かれていたのですね。
LARPについて、いろいろ教えてくれていますが、これは教科書と言うよりは、一緒に遊ぼう?と
手を差し伸べてくれている、そんな暖かい本です。

LARPに少しでも興味を持たれたら。
まずは第一歩、この本を手に取るところから、始めてみませんか?
新しい世界が待っていますよ!

執筆に当たって

非常に私事ですが、ライターとしての初の執筆がこの「LARPのススメを読んでみた」になります。
体験型ゲームLARP普及団体CROSS様には、そんな私に作品をテーマに
書かせていただくことを快諾下さり、心より御礼申し上げます。
また、ここまでお付き合い頂きました皆様にも、誠にありがとうございました!
願わくば、LARPの世界でお会いできますことを!

LARPのススメ 作品情報

発 行 日  2013年12月1日
発    行  体験型ゲーム普及団体 CLOSS
制作・編集 雛咲 悠
イラスト    藤崎 マダム
価   格  600円/700円 (電子書籍/実本) conosで買う

 

 

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