コンテストで最高のどらやきを目指す「職人トレジャー」

和菓子職人のどら焼きへの想いをゲームに組み込んだ作品

a.schoolの探究ラボ授業。地域の商店街で日々商品を作り続けながらより美味しい物を作ろうと苦心する職人を、制作者のソウさんが取材。
職人の腕、水、材料、作成道具。そして職人として大事な心や交流会を通じて業界全体の活性化を図る試みをまとめた作品が完成しました。
それがこの「職人トレジャー」。3回行われるコンテストの中で、一番良いどら焼きを作り上げよう!という内容となっています。

職人トレジャーとはどんな作品?

6枚持った手札を使い、コンテストに向けてよりよいどら焼きを作るゲームです。
山札を引いて、交換して捨てる形を3回繰り返したらコンテストとなり、3回行われるコンテストの中で一番高い評価を得たプレイヤーが勝ちとなります。

20分程の、のんびり楽しめるゲーム

3回のコンテストやカード交換の時間を含めて、1ゲーム20分程のプレイ時間となっています。
プレイ人数は3~4人。和気藹々と楽しむことが出来るゲームとなっています。

カードのタイプは7つ。35種類ものカードが収録

ゲーム内でどら焼きを作る為の豆カード、水カード、道具カード、弟子カード。最低限の目標としては、それぞれ1枚ずつを手にする事となります。
また鬼カードや和菓子サミットカードといった手札に影響があるものと、愛情カードというより良いどら焼きを作るためのサポートカードが勝負を左右します。
愛情カードは他のカードと違い、赤色になっている点がポイントですね。
また、コンテストで獲得するチットも同梱。金、銀、銅、鉄のメダルを示しています。

美味しいどら焼きを作るために――「職人トレジャー」のルール紹介

手札に豆、水、道具、弟子の4枚のカードを集め、カードに書かれた数字を合計する事で出来たどらやきの点数になります。
また、愛情カードと組み合わせる事で、より高い点数にする事が可能となります。
どのコンテストに出て、どれだけの点数を集めるかが重要となってきますね。

コンテスト時の獲得メダルと点数

ゲーム中3回行われるコンテストでは、得点に応じて4つのメダルが手に入ります。
メダルのランクが高いものほど、高い点を要求されていきます。
愛情カードを上手く活用し、金の評価を目指していきましょう!
評価に関わる点数は以下の通りです。

金…… 80点以上
銀…… 50~79点
銅 ……20~49点
鉄 ……19点以下

プレイまでの手順をご紹介

青のカードと赤のカードを、それぞれシャッフルして2つの山を作ります。
そして赤いカードから8枚、裏向きのままで青のカードの山に混ぜます。残りの赤のカードはこのゲーム中使用しません。

合わせてシャッフルを行った後、プレイヤーに6枚配りそれぞれの手札とします。
じゃんけんで勝った人から時計回りにカードを1枚引いて、手札から1枚捨てて行きます。

鬼カードの扱いに注意!

もし鬼カードを引いた場合は、鬼のような役人が現われてしまいます。
結果、左隣の人が鬼カードを引いた人の手札から好きなカードを2枚選んで、自分のいらないカード2枚と交換するのです。
その後プレイヤーは鬼カードを捨て札に置いて、1枚改めて引き直します。

もし、ゲーム最初に鬼カードがあった場合は、始まる前に公開した上で鬼カードの処理を行い、それからゲームがスタートします。
厳しい状態からのスタートも、愛情でより良い結果になる場合があります。悲観せずプレイしていきましょう!

小さい数字と侮れない!愛情カードと合わせて数字が大きくなるものも

材料や水などのカードは1から6までのポイントが書かれていて、雨水や手などの一見して得点が低く使えないように見えるカードがあります。
しかし、愛情カードはそんなカードを高得点にする可能性があります!
大抵の愛情カードは★マークの付いたカードに効果を及ぼすものが殆どです。
しかし、中にはホームレスの得点を10倍にする努力、雨水のカードを10倍するこだわり等の特定のカードに対して効果を発揮するカードも収録されています!
愛情カードを上手く使い、金賞に届くどら焼きを目指しましょう!

実際に職人トレジャーをプレイしてみる

今回は3人でのプレイを行いました。
始めの3巡は特に大きな事も無く、最初のコンテストでは参加が私1人のみです。
対して点数も伸びず鉄の評価をまず1つ獲得です。
チップを受け取り手札を6枚まで補充して……
最初に動いた事が後の展開に響いてきたかもしれません。

引き直しで愛情カードを確保し、早速引いてきた和菓子サミットカードを使用。
狙いは最初のコンテストでは小さい数字の上、その後の補充で手に入らなかった道具カード。
水カードとの交換で、何とか手に入れ準備を整えます。
和菓子サミットは使った後に通常の手番を行えるので便利なのですが――
次の引きで一気に場が動く事となります。

直後の手番でのドロー。
まさかの鬼カードを引いてしまいます。
左隣の人に折角交換したカード含めて良いカードを交換されました。
これで手札に道具カードが無い状況に逆戻りとなり厳しい状態です。
直後手札を交換した人が再び鬼カードを引くなど、2回目のコンテストまでは大荒れの展開に。

何とか道具カード引き直せた事は良かったものの、折角手にした愛情カードが鬼カードで取られた事が大きく響いてしまいました。
致し方なく手札リセットも兼ねて、コンテスト参加に方針変更。
一方で右隣の人は愛情カードを使い、数字を伸ばしつつコンテストに参加。
こちらは前回と同様の鉄、右隣の人は銅を獲得して一歩リードとなります。こちらも銅以上の手を完成させなければ負けが確定する事になりました。

最後のコンテスト迄には特に大きな変化も無く、愛情カードを引けたものの道具と豆のカードが全く回ってこない状態に陥り不参加になりました。残念。
右隣の人も引きが奮わず、今まで傍観していた左隣の人のみの参加になりました。
しかし銀以上には届かず銅獲得と、左右両方のプレイヤーの引き分けでゲームが終了しました。

実際のプレイを経て

愛情カードの有無が一目で分かるので、和菓子サミットを使う時に足りないカード同士の交換を狙う以外に、愛情カードが多くある時に不足分補充や別の愛情カードとの交換を狙えそうかなと感じました。
今回はコンテスト全員参加という状況はありませんでしたが、収録枚数を考えると通常はもっと参加者が増えたり、コンテストで高い評価を得るための参加・不参加判断が出て来るのかなと思いました。
コンセプトも分かり易く、綺麗に纏まって楽しく遊べるゲームでした。

制作者のソウさんに話を聞く

――宜しくお願いします。

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"]宜しくお願いします。 [/speech_bubble]

――今回どらやきを作るゲームと言う事ですけれど、どういうお店を調べたのでしょうか?

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"] どらやきとカステラを中心に作られているお店を取材しました。[/speech_bubble]

――取材をして感じた事はありますか?

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"]取材をして楽しいという事が多かったです。職人さんに会い、話を聞いて衝撃を受けました。
元々あまり洋菓子の方が好きだったのもあり、和菓子屋については謎のある場所だと思っていました。今ではとても和菓子が好きになりました。他のお店との連携や交渉を通してよりよい物を作ろうと日々研究を行っている事も驚きました。 [/speech_bubble]

――ゲームを作っていってどのように感じましたか?

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"]制作で絵を描いたり、カードのポイントを付けて行くところは楽しかったです。辛かった所としては、もっと楽しいルールをどう作ろうか?と考える所ですね。ただ、最初から作りたいと思うゲームの形は決まっていたので、そこから大きく外れる事無く作る事が出来ました。 [/speech_bubble]

――ゲームについてのこだわった所を教えてください。

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"]2点あります。1点目は仕事愛をはじめとした愛情カードですね。職人さんの取材を通して一番感動した所なので、必ず盛り込もうと思いました。2点目はルールとして交渉要素を入れたかったので和菓子サミットカードを使って他の人とカードの交換をする形で導入しました。 [/speech_bubble]

――愛情カードの裏面の色を他と変えたのはどうしてですか?

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"] 愛情を強調したいという事がひとつ、そして敢えて他の人が持っている事が分かるという事が逆に良いと考えたのがひとつですね。[/speech_bubble]

――コンテストの回数が3回となってますが、どのように決めたのですか。

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"] 最初は回数制限を特に考えず、好きな時にコンテストを開く形を考えていましたが、分かり辛くなってしまったのでどのような形で勝負のタイミングにするかを他のゲームの引用から始めて、試行錯誤して決めました。[/speech_bubble]

――最高ランクの金を取るのは難しそうですね。

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"]はい。それでも今日の試遊の中では1回だけ出ました。勝負のタイミングや交渉を上手く使わないと出ませんが、出せたら一発逆転にもなるという形ですね。 [/speech_bubble]

――自分の作品を遊んでもらったりしましたか?

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"] 学校に持って行き、友達に遊んでもらいました。皆、楽しいと言ってくれてくれたので、次は先生にも話をしてみたいなと思います。[/speech_bubble]

――他の人の作ったゲームの中で凄いなと思った事はありますか?

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"] ケンゾウ君の老人集め様ですね。NPO団体のプロジェクト自体をゲームにするというのは思い浮かばなかったので。凄い発想だと思いました。[/speech_bubble]

――でも、自分負けてないって思います?

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"]ええ。楽しさの部分では、勿論そう思います。 [/speech_bubble]

――今後もゲームを作ってみたいですか?

[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="aschool.jpg" name="ソウさん"] また作りたいです。今度はカードだけのゲームではなく、ボードゲームを作ってみたいですね。会場でも一杯色々なゲームがあったので、とても興味が湧いてきたのもあってもっと作ってみたいと思いました。[/speech_bubble]

――ありがとうございました!

製品情報・今回の執筆にあたって

商品名:職人トレジャー
価格:2500円
制作協力:ゲーミフィジャパン,a.school

株式会社a.school様
取材の申し込みに応じて頂きました。
ありがとうございます。
教育とゲームが合わさり良い影響があると感じることが出来ました。
これからも応援しています。

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