願いを叶え脱出するのは誰?正体隠匿系ロールプレイング脱出ゲーム「VOTE SHOWザ・ゲーム」

即興舞台劇「Vote Show」原作の人間ドラマ系ゲーム

自分しか知り得ない願望を叶えられる、そんな機会が与えられるゲームがある。参加者の中で生き残り、願いを叶えるのは誰だ――
正体隠匿と推理を兼ね備えたロール・ゲームがクリエイティブAHC様より頒布された作品が「VOTE SHOWザ・ゲーム」です!

作品概要

推奨プレイ人数:7~15人(ゲームマスター含む)
プレイ想定時間:90分程(キャラメイク含む)
プレイスタイル:正体隠匿型
システム傾向 :議論タイプ
舞台雰囲気  :番組放送風(脱出ゲーム系)

脱出するために協力し、「ジョーカー」を探し出せ

ゲーム参加プレイヤーは、集められた部屋から脱出する為にゲームマスターこと「翁」から指定された人数の代表者を選出して、全員が脱出したいと意思表示をするゲームに挑む事となります。
しかし参加プレイヤーの中にはランダムで選出される「ジョーカー」と呼ばれる裏切り者が紛れており、彼らはゲームを失敗させるべく潜みつつ選択される機会を伺っています。
プレイヤーは脱出する為にジョーカーを探って彼らを選択しないように、ジョーカーは信を得て選択されるように動きつつ脱出を阻止するように動く事になります。

正しく投票者を選ぶ為、キャラクターを演じつつ相手を見抜け

「VOTE SHOWザ・ゲーム」は、5回のメンバー選出の中で3回以上投票を成功させる、或いは失敗させる事を目的とした「レジスタンス」系のゲームです。
1度も成功させることが出来なかった時にジョーカーが誰かを当てる時間が設けられる点は「レジスタンス・アヴァロン」を彷彿とさせます。
しかし、一番の魅力はもっと別の所にあるのですー―
それは自らでキャラクターを考え、ランダムに配られた参加者謹製のキャラクターでゲームを行うというロールプレイ要素がある事です!

配られた役に沿った行動に、ミッションを潜ませつつ信を取れ

プレイヤーは、開始前に配られたキャラクターシートの中に演じるキャラクターを記入して、翁役が回収してミッションを書き入れてからランダムに再配布される事になります。
つまりプレイヤーは誰かが作ったキャラクターをその場で演じてゲームを進めていくのです。
自分が考えたキャラクターを一体誰がどのように演じるのか。そして自分はどんな役として参加するのか……設定にそって参加する事こそが、このゲームの醍醐味のひとつなのです!

ミッションは他の人にばれないようにこなすものとなります。
例えば「いずれかの会議の10分間の間、語尾に『れふ』を付ける事」であったり、「誰か1人のミッションを、他の誰かに納得させるように語る」であったりと千差万別。
このミッションを達成し、ウィッシュポイントと呼ばれる得点を稼ぐ事、それがこのゲームのもう一つの目的となるのです。
但し、他の人にミッション内容が暴かれてしまうと得点がマイナスされ、その上以降どれだけミッションを行っても得点は加算されません。
誰がどんな偽装をしてミッションを達成させてくるのか、また自分はどうミッション達成させるか。そんな駆け引きも心躍らせる時間をより盛り上げてくれます。
上手くポイントを稼ぎ、陣営を勝たせつつも自身がトップになるようにどう振る舞うかが重要になってくるのです!

ミッションをどう行うかが推理の鍵。他の人を出し抜け!

ジョーカーは必ずミッションをこなさなければならず、それは例えミッション内容を当てられて暴かれたとしても続ける必要があります。
また、ジョーカーはミッションをこなせなかった場合、4回目の選出が無くなり脱出側の自動成功となってしまい大分不利になってしまうのです。
一方、脱出陣営は必ず条件をこなす必要はありません、が……
タイトル内に「SHOW」と入っているように、このゲームは進行役の翁、ひいては観客の喜ぶような行動を取る事が重要になります。
その為、淡々とジョーカー探しをしていればチームは勝つかもしれませんが、ミッションを疎かにすれば自身の目標達成にはなりません。
結果、全員がミッションを試み、最終的な勝ちを狙っていくのです。
どこでミッションを行い、ジョーカーと間違えられずにポイントを稼ぐか。ジョーカーはいかに周囲に溶け込みながらミッションと妨害をこなすかをあの手この手で試してみましょう!

演じるからこその突発要素も。キャラクターを生かしてMVPを目指せ!

キャラクターに決められたミッション千差万別。どうしてもキャラクターとして差が出てしまう事があるでしょう。
しかし翁や視聴者――ひいては見学者が面白いだろうと思った行動を取り、それが認められれば翁からウィッシュポイントが与えられる場合があります。
それは相手の心を動かす懇願だったり、突拍子もない行動であったり。
翁が納得できる説明込みで、その場でキャラクターが叶えたい筈の願いが叶ったという物語が繰り広げられる、という機転の効いた行動を取るという事もできるかもしれません!
例えば『幼い頃生き別れた妹と会う』目的のキャラに対して、その場に偶々居合わせた参加者が、自身の記憶の欠片を含めて「兄さん、あなたが兄さんなのね!」と偶然の出会いを遂げる――そんなドラマティックな事が起きる事で、翁は2人に何らかの融通を利かせてくれる可能性だってあるのです。
つまり様々な方法で「SHOW」を盛り上げる事が、一番の勝ちに繋がる方法とも言えるでしょう。
参加者の設定に乗っかりながら通常以外の勝ちへの道を狙うという作戦も、VOTE SHOWならではの面白さとなります!

すぐに始められるセット収録!

この商品の中身はこちらの画像の通り。
特にサンプルキャラクターの書かれたキャラクターシートが14枚、ストップウォッチも同梱となっており、初めてゲームを遊ぼうとする方も安心。
ストップウォッチは人狼など、他の正体隠匿系ゲームにも活用できるので嬉しい所です。
勿論翁用のシート及び、1からキャラクターを作成できるようになっているブランクシートと記入用の鉛筆15本も用意されています。
ルールブックだけでなく、翁用サマリの書かれたスクリーンシートも付いてきます!

ホームぺージにプレイヤー・マスターシートも公開中

キャラクターを作成していくにつれ、手元のキャラクターシートだけでは足りなくなる事もあるかもしれません。
ですがご安心下さい、VOTE SHOW公式ページにて各種シートがダウンロードできるようになっています!
足りなくなった時は印刷する事で簡単に補充できますので、気軽にシートを使う事ができそうですね。

実際に「VOTE SHOW ザ・ゲーム」を遊んでみる

2017年4月8日某所。ボードゲームが好きな人も隠匿系ゲームが好きな人も大集合する機会がありました。
今回筆者が翁役として参加者を募ってみた所、8名の方に参加頂きました!

※この日は商品付属のサンプルキャラクターを利用してのプレイとなりました。
その為、この後紹介する名前もサンプルキャラ準拠となります。

VOTE SHOW、ついにスタート!

それぞれの自己紹介を済ませ、ゲームスタート。
今回は左手前から順にアメリカン忍者のキースさん、警官の力石さん、探偵の六代さん、旅人のダニエルさん、プログラマーの宮崎さん、ミュージシャンのキャンディさん、新聞記者の山谷さん、うどん屋の山田さんとなっています。
また、中指を立てるのは少々……という話から、脱出阻止に関しては親指と中指・薬指を付けた手の形(狼の形?)を出してみました。

手探りしつつ……キャラクター準拠トークの始まり

初回は山田さんのうどんトークとキースさんのアメリカン忍者キャラが場を引っ張っていきます。
ダニエルさん、宮崎さんがキャラクターを演じながらミッションに挑むも溢れる胡散臭さに他のメンバーから総ツッコミを受けます。
力石さんが宮崎さんのわざとらしい語尾が怪しいのでは?と更に追求しますが、キースさんのナチュラルな「ござる」語尾もあるよねとうやむやになり、その辺りはスルーされる事になりました。同時に宮崎さんの語尾もなりを潜めます。
初日は山田さん、六代さん、キャンディさんが投票対象に選ばれ、1人が脱出失敗を選択、ジョーカー側が先取しました。
この結果が後々の投票者選別に大きな影響を与える事となります。

2巡目、3巡目を経て推理が加速する

2巡目からは脱出して一致団結する方向に話が進みつつ、山田さんのうどんの定義が次々と明らかになっていきます。
初回の会話の内容からキャンディさんが怪しいのでは、という話に流れながらも、この日は比較的怪しくなさそうという理由で力石さんと山谷さんが投票対象に選択され、無事に成功します。

3巡目は初回の3人の内キャンディさんを除いた2人+他の1人という組み合わせで、誰がジョーカーの可能性が低いかという議論になりました。
特に語尾設定があやふやになった上で発言の少なかった宮崎さんと、最初から拙者トーク全開のキースさんが有力な候補に上がり、発言の多かったキースさんが選ばれる形となったのです。
そして、もしこれで失敗したら六代さんがジョーカーの可能性が高いという話まで出て来たので絶対に成功させたかったところです。
しかし実は今回の結果は……この写真の通り。
とはいえジョーカーの大半がミッションをこなせず、4日目は自動的に脱出側の勝利。
脱出側が若干有利となる中で5巡目の指定を4人と告げ、議論と投票者選びは更に白熱する事となるのですー―

2-2ともつれ、最終戦に

泣いても笑っても最終の会議タイム。
六代さんに疑いの目を向ける事に成功し、最後に選ばれるように臨むキースさん。
2回の失敗でジョーカーの疑いを向けられた六代さんは、何とか4人の指定を脱出側にしようと奮闘します。
疑うなら自分は投票から外れても良いと告げた山田さんは、周囲の信を得ていたのもあり1人目に選ばれ、力石さんは2日目の選ばれた対象と言う事もあり選出されました。
ここで先に選ばれた2人から、残りの投票者を1人ずつ選ぶという流れになります。
最初に山田さんの推察によって、キャンディさんとダニエルさんはまず選択肢から外されました。
続いて2度の失敗から六代さんも選択されず、悩んだ末にここまで中々スポットの当たらなかった宮崎さんを初の投票者に選択します。
そして力石さん。こちらはほぼほぼ六代さんの信を切り、選ぶのは山谷さんかキースさんの2人が濃厚との言葉まで飛び出します。
六代さんは何とかキースさんだけは選ばないようにと懇願し、選択肢と挙げられた2人は最終の決定を静かに待つのです。
果たして最後に選ばれたのは――

決着の瞬間。そしてMVPも決定!


話を聞いていく中で、キースさんが選ばれる可能性が高いと思っていましたが……刑事の感が冴えたのか、なんとここで山谷さんを選択しました!
最後の最後で全員脱出側を選ぶ事に成功し、今回は脱出側の勝利となりました。
そしてMVPは軽快にうどんトークを飛ばし、また推理や会議を良い方向に持って行った山田さんとなりました!
山田さんの願いは叶えられ、世界の主食がその日を境に代わったのでしたー―と言う所でゲームが無事終了です。

遊び終わった感想

サンプルキャラクターを使ってプレイをしましたが、それだけでも凄く楽しく盛り上がりました!
ミッションをこなす事の難しさに頭を悩ませている人もいれば、キャラクターを上手く作ってミッションを楽しくこなしている人もおりました。
序盤から一貫してうどん屋を演じ切ってくれた山田さん役の方は、最初こそこのキャラクターを体形で選んだんじゃないか?と苦笑いされていましたが、終わってからはうどん屋になりきって、あれこれ語る所をとても面白く感じた事を語ってくれました。一方でサンプルミッションのやり易さに少々ムラがある所が気になるとの事でした。キャラクター作りをどうするか、ミッション難易度のバランス取りを翁側が行う事でより楽しくなりそうですね。

今回は勝ち負けを考えなければキースさん役の人が一番ノリノリな感じでした。
プレイ後の感想を聞いてみた所、色々頭を使って疲労するもののキースのアメリカン忍者キャラがとてもやり易く、ミッションもとても上手く落とし込めたので自分でゲームマスターをやってみたくなる作品と語ってくれました。
そして進行役として参加しても、翁として会話に混ざれるという所もまた新鮮味を感じる事ができました。
この後、キース役の方がゲームマスターをして下さり、プレイヤーでの参加をする事ができ、その時はジョーカー役の方の演じ方がとても上手く、3連続失敗という結果となりました。
キャラクターを楽しむ事が勝ちとMVPを引き寄せる事になるのかな、と感じました。
また、普段から人狼系やロールプレイ重視のTRPGを遊んでいる方なら猶更のめり込めるのではないかな、という感じを受けました。
強いて言うのであれば、正体隠匿系かつ没入感のあるゲームなので、一度プレイした後は少々余韻が残るので、軽めのゲームを挟むなどインターバルを取った方がいいかなと思います。
参加して下さった皆さん、ありがとうございました!

どんなキャラクターでゲームに臨む?推理ショーを楽しもう!

自分で作ったキャラクターを一体誰が演じるのか、そしてどんなミッションを行うのか。
そして誰がジョーカーか、無事脱出できるか、MVPは誰の手に渡るのか……
そんな駆け引きと演じる楽しさが光る作品がこの「VOTE SHOW ザ・ゲーム」です。
友達や知り合い、仲間内で集まって面白楽しく脱出ショーに参加してみては如何でしょうか?

今回の執筆にあたって

静岡ボードゲーム会『ニケ!』様

ゲーム会の中で卓を開かせて頂きました。
楽しい時間をありがとうございます!
今後のゲーム会も楽しみにしています。

静岡人狼会様

人狼のGM経験者や参加者に同卓頂きました。
白熱したゲームをありがとうございます!
これからも応援しています。

商品概要

名称:VOTE SHOW ザ・ゲーム
初出:ゲームマーケット2017春
制作:クリエイティブAHC
ゲームデザイン:あまおち総統
価格:3500円

通販サイトCONOS(コノス)にて絶賛販売中!こちらからご購入頂けます。

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