本サイトのロードバイクの記事をイチから順にお読みになっている方の中には、さあロードバイクを購入しようかな!と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
ロードバイクの選び方というのも重要ですが、ライトやサイクルコンピューターといったロードバイクという趣味を楽しむ上で欠かせないアイテムの選び方も大変重要です。
アイテムによってどれだけロードバイクという趣味を楽しめるかが左右されると考えてください。
以前の記事、ロードバイクの選び方でロードバイク本体のことについては説明しましたが、アイテムについて細かな選び方などは紹介していませんでした。
というわけで、今回の記事を含めて、<アイテム紹介記事>という連載のような形で紹介していきます。
その連載の記念すべき第一回は<ライト>です。
今回の記事では、自転車の進行方向を照らす前照灯、後方を照らす尾灯(テールライト)の両方を取り扱います。
単に<ライト>と書かれている場合は、前照灯、尾灯の両方を指しています。
ライトって本当に必要なの?
はじめに、ライトの存在意義、つまりライトがなんの役にたつか確認しましょう。
ライトは交通事故防止の要ともいえるアイテムです。
法令上は、「暗いときはライトを点灯する」ことが義務付けられています。
(道路交通法第63条9、道路交通法施行令第18条、第19条 による)
そうとはいえ、自転車を重たくしたくないとか、自転車の景観を損なうとか、また夜は走らないからライトは付けないという方もいるかもしれません。しかし、暗い時というのは夜に限りません。
まだ日が昇っていない早朝や、天井のライトの光が十分に行き渡っていないトンネル内など、暗いタイミングは色々なところにあります。
ロードバイクで遠出をするようになると、都市部ではなく田舎の山道を走ったりすることもあるでしょうし、そうなればトンネルを走行することは避けられません。
ですから、日中はライトを装備する義務はなくとも、ほとんど義務のようなものになってきます。
また、ライトには自分の視界を確保すること以外にも、車側に光を見てもらうという役割もあります。
ライトは、ヘルメットやグローブと同様に自分を守ってくれるアイテムなのです。
そうしたことから、ライトを取り付けなくてもよい(取り付けてはならない)のは、ほぼロードレースに限定されるということになります。
輝度・発光面積・点灯時間に注意してライトを選ぶ
前照灯・尾灯ともに、「自分の視界を確保する・自分の存在に気づいてもらう」というライトの役割りに則り、選ぶ基準があります。
この章のタイトルにもなっていますが、重要な基準は「輝度・発光面積・持続時間」この3つです。
この3つのスペックが高いライトを強くおすすめします。
スペックが高いことに越したことはありません。
輝度が高ければ高いぶん暗い中でものを鮮明に見ることができます。
発光面積が広ければ広いぶん広範囲のものを見ることができます。
持続時間が長ければ、長いほど夜に走り込むことができますし、ロングライドイベントであるブルベにも効力を発揮します。
このライトの3つのスペックは、値段に正比例します。
ブルベとは、「認定」という意味のフランス語。タイムや順位には拘らず、制限時間内での完走を目指すロングライドのサイクリングイベントで、規定の距離を制限時間内に完走すると認定がもらえます。 基本は200キロ、300キロ、400キロ、600キロ。 1年に4つの距離を完走すると「シューペル・ランドヌール(SR)」と認定されます。
最高輝度の高いライトは持続時間が長い
ライトを選ぶ3つの基準の中に「輝度」という項目を挙げました。
輝度が高かければ高いほどよいと紹介しましたが、読者の方の中で(特に車に乗られる方は)「明るすぎるライトはかえって対向車などに目潰しをしてしまうことになるから危ないのではないか」と思われるかもしれません。
しかし、目潰しをするレベルの輝度を発揮できるライトはたいてい輝度を調節できるようになっており、最大輝度の高いライトは最大輝度の低いライトと同じ輝度で比較して持続時間が長いのです。
例を挙げますと、輝度を調節できる最大輝度のレベルが10というライトAと最大輝度のレベルが5のライトBがあるとすれば、ライトの持続時間は輝度のレベルが5のライトA>ライトB となる、ということです。
また、ブルベなどのロングライドイベントは時間制限があるため、真夜中に走ったり、真夜中に山道を走ったりという局面に遭遇する可能性が極めて高いと考えられます。
そういった場合に備えて最高輝度の高いライトを検討することをおすすめします。
事故を減らすためにも可能な限り夜間の走行は避けることが第一ではありますが…
光の明るさの単位のみかたとは
自転車のライトの光の明るさの単位には主にルーメン(単位:lm)とカンデラ(単位:cd)の2つが用いられています。
厳密に説明しようとすると込み入った話になってしまいますので、今回は「水のホースに取り付けるシャワーヘッド」を例に挙げて説明していきます。
水のホースに取り付けるシャワーヘッドには様々な製品がありまして、それぞれ水圧の強さやシャワーでどこの範囲まで水をかけられるかが異なるかと思います。
この内、水圧の強さがカンデラに相当し、シャワーの照射範囲がルーメンに相当します。
シャワーヘッドを買おうと思ったとき、多くの人は水圧の強さや照射範囲などを気にすると思います。
ライトを選ぶときにも同様なわけです。
上の説明を踏まえて光の単位の説明に戻りますと、カンデラはいわば光の圧力(圧力というのは、1平方メートルにかかる力を表しています。)であり、ルーメンはそのまま光の照射範囲、全体の力だと考えていただきたいです。
ライトを選ぶときにも同様で、
先にネタバレしてしまいますが、今回紹介するキャットアイのライトは、ホームページ上で実際に使ってみるとどのような範囲を照らすことができるのか写真が掲載されており、同社の他のライトと比較検討することができるようになっており、大変便利です。
まあ、ここまでしなくとも、ライトの形状からある程度は予想がつきますけどね…
そこまでこまかな数値にこだわる必要はありません。
どうしても気になるようでしたら、実店舗に行き、明るさを試してみると良いでしょう。
電池式と充電式どっちを選べば良いですか?
ライトといっても、駆動方式には電池式と充電式のものがあります。
充電式のほうがおすすめである、という方が多いような気もしますが、私としてはどちらでも大差がないのでは?と思ってしまいます。
電池式
電池式はそんなに長持ちせずにすぐに切れてしまう(大体一日1時間ライトを点灯すると一月で充電が切れる、位のイメージ)から、お財布に悪い、と言われることが多いですが、今ではエネループがありますから、そんなに問題はないと考えます。
もっと言えば、電池を持ち歩けば電池が切れる心配をする必要はないということです。
充電式
充電式は基本的にはUSBケーブルを用いてパソコンなどと繋いで充電する方法なのですが、ライトにつなぐ側の端子がアンドロイド携帯と同じ規格であることが多いので、モバイルバッテリーを使用することで長時間使うことができますので、こちらも電池式と同様に対策さえスレば電池が切れる心配をする必要がないということです。
以上のことから電池式と充電式のライトにはどちらも大差がないものだと考えます。
どちらのライトであろうとも、予備の電源を用意すれば問題はないですね。
強いて言うのなら、ロードバイクに乗るとき、緊急時やナビゲーションのためにスマートフォンを持ち歩くことが多いと思われますので、モバイルバッテリーを使用することのできる充電式のほうが、荷物削減という面では微妙に勝っている…のかもしれません。
電池もモバイルバッテリーも重量差は誤差の範疇ではないでしょうかねぇ。
今回紹介するそれなりのスペックを満たしているライトは充電式なので、どちらの方式かというのはオススメの商品を検討するというのならあまり関係ないことかもしれません。
ライトはキャットアイ製品がおすすめ!
ライトといっても様々なメーカーが販売していますが、今回はライト開発・製造のスペシャリストであるキャットアイのライトに限って紹介していきます。
キャットアイのライトはシェアが高く、多くの人々が使っており信頼できる商品です。
ロードバイク専門店を始めとする自転車販売店ではどこでもキャットアイの製品を扱っています。
むしろ、扱っていない自転車屋を見たことがありません。
個人的にはキャットアイ以外の製品を販売していないお店が多いと思いました。
それくらいに信頼のおけるメーカーの商品だということです。
以下、ライトを紹介していきますが、キャットアイの製品が中心となります。
前照灯のおすすめ
キャットアイ Volt1600
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こちらのライトは、充電式であり、電池は交換可能ですから、モバイルバッテリーを持ち運ばなくても良いことになります。
充電タイミングが分かるようにバッテリーの残量表示にも対応しています。
難点を2つ挙げれば、重量が250グラムですから、結構ハンドルさばきに影響を与えてしまうことと、体積が大きいため、サイクルコンピューターやベルなどのアイテムを取り付けるスペースを圧迫してしまう恐れがあるということです。
スペースを圧迫してしまう恐れについては、次のような商品を使うことで回避可能です。
気になるライトのお値段はなんとAmazon で約15000円です!
※値段は以降紹介する商品についても2017/3/27現在のものである
ライトにしてはかなり高い部類に入るのですが、夜もロードバイクを楽しみたいという方や、安全対策を万全にしたいという方には避けて通れぬアイテムだと思います!
キャットアイ Volt800
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尾灯(テールライト)のおすすめ
キャットアイ RAPID-X3
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キャットアイ RAPID-X2
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シートステーに尾灯を取り付けよう
一応確認しておきますが、シートステーというのはサドルを取り付けているシートポストととつながっているフレーム部分から後輪の中心部分(リアエンド)までをこのように呼んでいます。
テールライトは一般的にはシートポストに取り付けたり、サドルバッグに取り付けるのですが、シートステーに取り付けるとより安全対策につながります。
特に夜間や早朝に乗られる方は用意しておくことをおすすめします。
シートステーに取り付けるタイプの尾灯は棒状になっています。
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取り付けるのであれば、もちろん自転車は左側通行ですから右のシートステーに取り付けます。
二本あるとさらに便利なのは言うまでもありませんし、予備として活用することができますね。
棒状であるために照射範囲が広くて使い勝手がよいと推察されます。
値段は3800円ほどです。
棒状のものでなくとも、先に紹介したRAPID-Xシリーズをシートステーに取り付けるのも効果的だと思います。
ブレーキ連動型尾灯もおすすめ
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キャットアイのライトの中には「ブレーキ連動型尾灯」があります。
これは車やバイク等と同じでブレーキをかけたら尾灯が点滅し、後続車に停車を知らせるという画期的なアイテムです。
いつも私は手信号を出すようにしていますが、ロードバイクに乗っていると急停車することもありまして、そのときには手信号が出せない(手信号よりも安全を優先する)のでぜひともほしいアイテムです。
原理としては、尾灯に加速度センサーが搭載されており、進行方向と逆向きの力を感知することで点滅する仕組みになっています。
ただし、Amazon のレビューを見る限り、たまに機能しない、という意見もありますので過信は禁物です。
手信号との併用をおすすめします。
(将来的には、曲がったりするときにも加速度の方向を検知してウィンカーを出してくれる商品が開発されると嬉しい。)
値段は4700円ほどと高いライトですが、金銭的に余裕があるのなら購入を検討してみてはいかがでしょうか。
ヘルメットにライトを取り付ける際に注意すること
たまにヘルメットにライトを取り付けている方を見かけます。
ヘルメットにライトを取り付けることは安全の観点から見て大変よろしいことだと思うのですが、ひとつだけ注意する点があります。
ヘルメットにライトを取り付けるとすれば、ヘルメット前方に白色のLEDライト、後方に赤色のLEDライトを取りつける事になりますが、特にヘルメット前方に取り付ける白色のLEDライトには注意したほうが良いかもしれません。
白色のLEDライトは目に刺激が強いため、ライトを選ぶときには眩しいものではなく程々のモノを使う必要があります。
ヘルメットに取り付ける用のライトであればよほど問題はないと考えますが、中にはもともとハンドルに取り付けるような眩しめのライトをヘルメットに装着する商品があり、それは光量的にまずいのではないかと考えてしまいます。
個人で差があるかとは思われますが、ライトの取り付け位置の高さが車のドライバーの目線の高さになる可能性が高いと考えられますので、光が強いと目潰しになってしまうことにつながります。
赤色のLEDライトは刺激的な色ではないのでよっぽど問題はなさそうです。
まず、今回の記事で紹介したライトを使用すれば安全対策は十分でしょうがね…
ヘルメットにライトを取り付けるならどれがおすすめか
ライトの規定いろいろ
色の規定について
念のために書いておきますが、ライトは前は白色、後ろは赤色と定められていますので注意してください。
暗いときのライトの点滅について
基本的に夜間走行時など暗いときは、ライトは点灯することになっています。
点灯と点滅を併用するのは良いのですが、点滅のみではだめだということです。
余談ですが、昼間にも安全対策の一環として尾灯を点滅させておくなどするとより良いのではないかと思います。
まとめ
ロードバイクのライトがいかに重要かわかっていただけたと思います。
今回紹介したライトはたしかに高いのですが、安全のことを考えれば決して高い出費だとはいえないでしょう。
また、ライトをヘルメットにつけるなど良かれと思ってやっていた行為が実は迷惑になる恐れがあるということも説明しました。
ライトの件に限らず、良かれと思ってやったことが裏目に出てしまうこともあるので自分中心に考えるのではなく相手のことも考えるようにすると良いと思います。
そういった気遣いから公道走行での安全は出来上がっていくものだと思っています!
最後までお読みいただきありがとうございました!